2009年 11月 19日
独り相撲場末場所 |
冒頭の鼻歌:
♪指~折りかぞえ そ~の時待つよ! 扇をかざし 天空仰ぐ 翻弄される あ~る種の健気っさ 翻弄される あ~る種の健気っさ
♪指~折りかぞえ そ~の時待つよ! 扇をかざし 天空仰ぐ 名も無き河の 汚水はいつか 私をのみ込んで 私をのみ込んで!
♪全裸の~魂~が 徘徊~ してるよ~~
これからお送りする話は、ある美術作家が勝手に盛り上がって、勝手にに凹んだ、ついこの前の話です。
☆自己の表現を探求すべく、己の道を行くかた方は、
「哀れなやつよの~」と、
☆自己の理想を実現すべく、戦略と計算を駆使して向かう方は、
「なるほど、これが失敗というやつか」と、
☆好きでやってるだけなんですぅ~でも何かいつも運が良くてぇ~、てな方は、
「あ、こりゃ運気下げんようにきをつけなきゃ」と、
いう感じで、読んでみて下さい。
まあ、甘い話には、必ず落とし穴がある、なんていいますが。
しかしこう、見事にその穴にハマってしまう、自分が情けないですわ・・。
----------
先々週くらいの話。
とある京都の老舗画廊さんから、
「来年2月、個展とか、ダメかしら?」
老舗画廊さんからのお願いとは言え、急な話。
年末年始はただでさえ多忙なので、新作展はちょっとキツい。
という感じで「折角なんですが・・・」
と、一旦お断りする。
まあ、何か穴が空いたのでしょう。
穴埋めは得意ですが、個展は大事にしてるもので。

グループや2人展の案も出しましたが、まあ、それはまた別の機会に、という話になりまして。
そんな感じで後ろ髪ひかれつつ、後日その経緯なんかを若手作家さんに話すと、
「え~!何でですか~?僕なら絶対やるけどな~。やるべきですよ~!」
なんて言われる。
いや、筆者みたいなドブ板クソ美術家、声かけてもらうだけでもありがたき幸せ。
「関西美術界のピラニア軍団」でしょう?
で、そこでまた悩みながら、ふと
「あ、穴埋めやったら別に新作じゃなくていいのか・・・。」
そこで思い出したのが、「キウチビデオフェスティバル」の巡回展。
当初これを神戸ストリートでやったときは、「京阪神巡回ってのもええな~」と思ってたのでした。
で、wksでやって、すっかりやり切った感に浸って忘れてたのですが、まだ京都じゃ発表してない。
さらに言うと、この作品は例の茶封筒返信で関東での発表も幻と化してたため、いつでも出せる準備はできている。
というわけで、翌週、思い切ってメールをしてみる。
「先週の2月の話、まだ決まってませんか?決まってなかったら、ご相談があるのですが・・」
・・・で、まだ決まってないということで、再び話しをしに行く事に。
「ビデオフェスの巡回ならできますが、」という説明をして、何となくやる雰囲気になってくる。
ただ、ここで1つネックが。
僕は、個展をする条件として、「企画で2週間以上」というのを基本として、1998年以降はやってきました。
これは、いろいろ考えた上の自分の条件で、そうでなければ、特例でも無い限りやらない、と生意気にも決めています。
当初は2週間空いてるとの話だったので、てっきり2週間だと思ってたのですが、先方の希望は1週間でした。
これは、僕がその画廊初登場にして、企画で2週間というのは、いろいろ軋轢が、ということ。
いや、わかります。それは重々承知してます。
友人作家や超大物の名前出されると、さすがの僕も弱いのですが。
しかし、これは「交渉」。
最初から条件下げたら、それ以上のものは得れない。
で、画廊さんの方も、
「本当は皆に2週間ゆっくりやってほしいのだけど・・ちょっと考えさせて下さい。また来週返答します。」
との事。
僕も、老舗画廊さんにそこまでしてもらうのも悪いので、一応
「後半の1週なら、1週間でもやりますが、できれば2週間、お願いします。」
この時、実は、日程を聞いて、ちょっと「ピクン!」と感ずるものがあったのです。
「京都、2月の二週目・・・。」
アトリエに帰り、某大学のHPでスケジュールを確認し、グッと拳を握る。
きたー!ドンピシャリッ!
心の中で、思わずガッツポーズが出ました。
例年のパターンだと、この週、京都に各地から美術関係者が多く訪れる。
岡崎~沓掛、その他オープンアトリエ周り。
画廊にも寄る人が多いに違いない。
チャンスです!これはチャンスなんでーーす!
という感じで、勝手に盛り上がる。
きた!ついに俺にもチャンスが巡ってきた!
ビデオフェスも3度目の正直だ!
何より、東京には行けなかったが、東京の方からこっちに来よる!
というわけで、ここ数日。
作品はほぼ旧作となるだろうとのことで、折角だから「巡回記念」の図録を作ろう!
そしてそれをVIPに渡せるように準備しよう!
DMも3度目のシール仕様にしよう!
年末は動きにくいので、実家用にノートパソコンも購入だ−っ!
協賛もお願いしますよ~!
やったる!俺はやったるでーーっ!
と、鼻息もいよいよ荒くなってくる。
興奮してきたっ!
ですが、久々のワクワク感、不安と緊張、ハードスケジュールこなせるか?
等々、放課後展以来のピリピリとした気持ちになってきていました。
いや、俺は売れなければイケナイ。
過去、いろいろお世話してくれた人たち、手伝ってくれた人たち、無名な私の作品を買ってくれた人たち、いつも展覧会に来てくれてる人たち・・・。
に対して、自身ができる恩返しは「もっと売れて、活躍すること」しかない!
っていうか、ただ売れたいんやー!
もう、今すぐにでも郵便配達は辞めたいんやー!
売れたいー売れたいー売れたいー売れたいーっ!
・・・と、売れる前の今田東野ばりに、布団をかじりながら叫ぶ日々におさらばしたい!
これはチャンスです!チャンスなんですーっ!
そして俺も早く次のステージへ!
あの夢の世界へ!
コマサル画廊に作品作って持って行って見せては、
「またいい作品できまちたね~。あのおじさんがまた、買ってくれまちゅよ~」
ってな感じで頭ナデナデされた~~い!
僕を貴女たちの犬にして下さいー!
(あれ?何の話やったっけ)
という感じで、心の中で妄想ふくらむスクラム。
・・・ただ、「何でそんな『美味しい期間』に穴が空いてるんかな?」
と、そこはちょっと引っかかってました。
----------
そして、週明け。
ですが、画廊の方からも連絡がない。
待て!落ち着け木内!
慌てるとつんのめるだけだわさ。
もう決まったみたいな話だから、慌てるでないぞよ。
てな感じで先日。
携帯の着信はその画廊オーナーさん。
はいはい~♡
こちらはオーナーさんに喜んでいただける気合いのプランを用意してますよ~♡
てな気分で電話にでる。
すると、オーナーさん曰く、
「ごめんなさい!勘違いしてました。2月じゃなくて、1月下旬でした・・・スイマセン・・」
「・・・・・???」
空いていたのは1月下旬から2月上旬でした。
でも、「2週間で」とおっしゃって下さってました・・・。
この時点で僕は、その「例の週なら1週間でも・・」
てな気分だったのですが・・・。
で、考えた結果、1月はただでさえスケジュール的に厳しく、さらに「おいしい週の1週前」というドツボな期間にリスクを背負ってやる気はおこらず・・・。
結局お断りしました。
というわけで、「キウチビデオフェスティバル京都巡回」は一瞬で幻となりました。
まあ、誰も待ってませんけどね、そんな巡回。
そして、電話を切ったあと、激しい落胆とともに、先日のガッツポーズから落胆までの
「独り相撲の妄想劇」を振り返り、
「オレ?何がやりたいんだ?」
と、根本的な疑問にブチ当たってしまいました。
いずれにせよ、元のサヤ、ふりだしに戻った、ということです。
いや、しかし、踊らされるとはまさにこの事・・・とか言ったら、
「あんた、勝手に踊ってるだけやん!」
と言われそうですな。
まあ、祭りははじめから、無かったんです・・・。
いや、わかってます。わかってますとも。
みなまで言わなくても。
いい作品作っていれば、いつか必ず!でしょ?
いい作品作っていれば、いつか必ず!いい作品作っていれば、いつか必ず・・・いい作品作っていれば、いつか必ず・・・いい作品作っていれば、いつか・・・
・・・ちょっと頭冷やすとします。
※というわけで、「2月個展、あるかも」と何人かには話しましたが、ウソでした。オオカミ中年・・・本当にごめんなさい。
また、声かけて下さった画廊さんにも、恨み等、全くありません。むしろ感謝しております。
恨むべくは、自身のさもしくて腐ったヒガミ根性であります。
----------
では、独り相撲場末場所の結果です。
直前に精神に違和感を感じ、全戦不戦敗です。
以上、妄想の設計と表現・キウチグループがお送りしました。
巻末の鼻歌:
♪夕暮れのかくれんぼ 一人鬼はすく~む 簾越しに響く 手の鳴る方が怖~~い
♪鬼は~ さ迷う村を 熱病の~ように~ 「もういいよ~」寝床の中で 寄りそ~う 人形のフリをした うう~
♪無口に吹きすさぶ 恋風に抱かれ~て ま~た 組んずほぐれ~つ ひとり相撲取る夜~~
♪指~折りかぞえ そ~の時待つよ! 扇をかざし 天空仰ぐ 翻弄される あ~る種の健気っさ 翻弄される あ~る種の健気っさ
♪指~折りかぞえ そ~の時待つよ! 扇をかざし 天空仰ぐ 名も無き河の 汚水はいつか 私をのみ込んで 私をのみ込んで!
♪全裸の~魂~が 徘徊~ してるよ~~
これからお送りする話は、ある美術作家が勝手に盛り上がって、勝手にに凹んだ、ついこの前の話です。
☆自己の表現を探求すべく、己の道を行くかた方は、
「哀れなやつよの~」と、
☆自己の理想を実現すべく、戦略と計算を駆使して向かう方は、
「なるほど、これが失敗というやつか」と、
☆好きでやってるだけなんですぅ~でも何かいつも運が良くてぇ~、てな方は、
「あ、こりゃ運気下げんようにきをつけなきゃ」と、
いう感じで、読んでみて下さい。
まあ、甘い話には、必ず落とし穴がある、なんていいますが。
しかしこう、見事にその穴にハマってしまう、自分が情けないですわ・・。
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先々週くらいの話。
とある京都の老舗画廊さんから、
「来年2月、個展とか、ダメかしら?」
老舗画廊さんからのお願いとは言え、急な話。
年末年始はただでさえ多忙なので、新作展はちょっとキツい。
という感じで「折角なんですが・・・」
と、一旦お断りする。
まあ、何か穴が空いたのでしょう。
穴埋めは得意ですが、個展は大事にしてるもので。

グループや2人展の案も出しましたが、まあ、それはまた別の機会に、という話になりまして。
そんな感じで後ろ髪ひかれつつ、後日その経緯なんかを若手作家さんに話すと、
「え~!何でですか~?僕なら絶対やるけどな~。やるべきですよ~!」
なんて言われる。
いや、筆者みたいなドブ板クソ美術家、声かけてもらうだけでもありがたき幸せ。
「関西美術界のピラニア軍団」でしょう?
で、そこでまた悩みながら、ふと
「あ、穴埋めやったら別に新作じゃなくていいのか・・・。」
そこで思い出したのが、「キウチビデオフェスティバル」の巡回展。
当初これを神戸ストリートでやったときは、「京阪神巡回ってのもええな~」と思ってたのでした。
で、wksでやって、すっかりやり切った感に浸って忘れてたのですが、まだ京都じゃ発表してない。
さらに言うと、この作品は例の茶封筒返信で関東での発表も幻と化してたため、いつでも出せる準備はできている。
というわけで、翌週、思い切ってメールをしてみる。
「先週の2月の話、まだ決まってませんか?決まってなかったら、ご相談があるのですが・・」
・・・で、まだ決まってないということで、再び話しをしに行く事に。
「ビデオフェスの巡回ならできますが、」という説明をして、何となくやる雰囲気になってくる。
ただ、ここで1つネックが。
僕は、個展をする条件として、「企画で2週間以上」というのを基本として、1998年以降はやってきました。
これは、いろいろ考えた上の自分の条件で、そうでなければ、特例でも無い限りやらない、と生意気にも決めています。
当初は2週間空いてるとの話だったので、てっきり2週間だと思ってたのですが、先方の希望は1週間でした。
これは、僕がその画廊初登場にして、企画で2週間というのは、いろいろ軋轢が、ということ。
いや、わかります。それは重々承知してます。
友人作家や超大物の名前出されると、さすがの僕も弱いのですが。
しかし、これは「交渉」。
最初から条件下げたら、それ以上のものは得れない。
で、画廊さんの方も、
「本当は皆に2週間ゆっくりやってほしいのだけど・・ちょっと考えさせて下さい。また来週返答します。」
との事。
僕も、老舗画廊さんにそこまでしてもらうのも悪いので、一応
「後半の1週なら、1週間でもやりますが、できれば2週間、お願いします。」
この時、実は、日程を聞いて、ちょっと「ピクン!」と感ずるものがあったのです。
「京都、2月の二週目・・・。」
アトリエに帰り、某大学のHPでスケジュールを確認し、グッと拳を握る。
きたー!ドンピシャリッ!
心の中で、思わずガッツポーズが出ました。
例年のパターンだと、この週、京都に各地から美術関係者が多く訪れる。
岡崎~沓掛、その他オープンアトリエ周り。
画廊にも寄る人が多いに違いない。
チャンスです!これはチャンスなんでーーす!
という感じで、勝手に盛り上がる。
きた!ついに俺にもチャンスが巡ってきた!
ビデオフェスも3度目の正直だ!
何より、東京には行けなかったが、東京の方からこっちに来よる!
というわけで、ここ数日。
作品はほぼ旧作となるだろうとのことで、折角だから「巡回記念」の図録を作ろう!
そしてそれをVIPに渡せるように準備しよう!
DMも3度目のシール仕様にしよう!
年末は動きにくいので、実家用にノートパソコンも購入だ−っ!
協賛もお願いしますよ~!
やったる!俺はやったるでーーっ!
と、鼻息もいよいよ荒くなってくる。
興奮してきたっ!
ですが、久々のワクワク感、不安と緊張、ハードスケジュールこなせるか?
等々、放課後展以来のピリピリとした気持ちになってきていました。
いや、俺は売れなければイケナイ。
過去、いろいろお世話してくれた人たち、手伝ってくれた人たち、無名な私の作品を買ってくれた人たち、いつも展覧会に来てくれてる人たち・・・。
に対して、自身ができる恩返しは「もっと売れて、活躍すること」しかない!
っていうか、ただ売れたいんやー!
もう、今すぐにでも郵便配達は辞めたいんやー!
売れたいー売れたいー売れたいー売れたいーっ!
・・・と、売れる前の今田東野ばりに、布団をかじりながら叫ぶ日々におさらばしたい!
これはチャンスです!チャンスなんですーっ!
そして俺も早く次のステージへ!
あの夢の世界へ!
コマサル画廊に作品作って持って行って見せては、
「またいい作品できまちたね~。あのおじさんがまた、買ってくれまちゅよ~」
ってな感じで頭ナデナデされた~~い!
僕を貴女たちの犬にして下さいー!
(あれ?何の話やったっけ)
という感じで、心の中で妄想ふくらむスクラム。
・・・ただ、「何でそんな『美味しい期間』に穴が空いてるんかな?」
と、そこはちょっと引っかかってました。
----------
そして、週明け。
ですが、画廊の方からも連絡がない。
待て!落ち着け木内!
慌てるとつんのめるだけだわさ。
もう決まったみたいな話だから、慌てるでないぞよ。
てな感じで先日。
携帯の着信はその画廊オーナーさん。
はいはい~♡
こちらはオーナーさんに喜んでいただける気合いのプランを用意してますよ~♡
てな気分で電話にでる。
すると、オーナーさん曰く、
「ごめんなさい!勘違いしてました。2月じゃなくて、1月下旬でした・・・スイマセン・・」
「・・・・・???」
空いていたのは1月下旬から2月上旬でした。
でも、「2週間で」とおっしゃって下さってました・・・。
この時点で僕は、その「例の週なら1週間でも・・」
てな気分だったのですが・・・。
で、考えた結果、1月はただでさえスケジュール的に厳しく、さらに「おいしい週の1週前」というドツボな期間にリスクを背負ってやる気はおこらず・・・。
結局お断りしました。
というわけで、「キウチビデオフェスティバル京都巡回」は一瞬で幻となりました。
まあ、誰も待ってませんけどね、そんな巡回。
そして、電話を切ったあと、激しい落胆とともに、先日のガッツポーズから落胆までの
「独り相撲の妄想劇」を振り返り、
「オレ?何がやりたいんだ?」
と、根本的な疑問にブチ当たってしまいました。
いずれにせよ、元のサヤ、ふりだしに戻った、ということです。
いや、しかし、踊らされるとはまさにこの事・・・とか言ったら、
「あんた、勝手に踊ってるだけやん!」
と言われそうですな。
まあ、祭りははじめから、無かったんです・・・。
いや、わかってます。わかってますとも。
みなまで言わなくても。
いい作品作っていれば、いつか必ず!でしょ?
いい作品作っていれば、いつか必ず!いい作品作っていれば、いつか必ず・・・いい作品作っていれば、いつか必ず・・・いい作品作っていれば、いつか・・・
・・・ちょっと頭冷やすとします。
※というわけで、「2月個展、あるかも」と何人かには話しましたが、ウソでした。オオカミ中年・・・本当にごめんなさい。
また、声かけて下さった画廊さんにも、恨み等、全くありません。むしろ感謝しております。
恨むべくは、自身のさもしくて腐ったヒガミ根性であります。
----------
では、独り相撲場末場所の結果です。
直前に精神に違和感を感じ、全戦不戦敗です。
以上、妄想の設計と表現・キウチグループがお送りしました。
巻末の鼻歌:
♪夕暮れのかくれんぼ 一人鬼はすく~む 簾越しに響く 手の鳴る方が怖~~い
♪鬼は~ さ迷う村を 熱病の~ように~ 「もういいよ~」寝床の中で 寄りそ~う 人形のフリをした うう~
♪無口に吹きすさぶ 恋風に抱かれ~て ま~た 組んずほぐれ~つ ひとり相撲取る夜~~
by kiuchism
| 2009-11-19 00:12
| 愚痴