2016年 04月 18日
賛成の反現代アートなのだ |
さて、四季に一度と言ってましたが、なんやかんや動きがあるのでここんとこはちょこちょこ書く予定です。どうも木内です。
前回ブログで書きました、「現代アートという言い方が嫌いだ問題」(って何が問題かはわかりませんが)に関して、4月21日と28日に、成安造形大学内にて同大学の学生さんを対象にレクチャー&ディスカッションを行います。
題して「『現代アート』という表記反対プロジェクト」です。
「『現代アート』という表記反対プロジェクト」
2016年4月21日(木)18:30〜20:00「木内貴志によるレクチャー」
2016年4月28日(木)18:30〜20:00「運動に向けてのシンポジウム」
会場はともに成安造形大学 現代アート演習室(J203教室)
これは、この問題について僕がまず1回目にレクチャーとして、この言葉の発祥や使われるようになった原因等を探る過程を説明しながら言葉の現状等を説明し、そして何故嫌いなのかを話します。
で、それをふまえて2回目には僕と同じく「嫌いだ」という賛成派と「好きだ」という反対派に分かれてディスカッション。
賛成派には「どうすればこの言葉を撲滅できるか?」を考えてもらい、反対派にはそれを阻止してもらう・・・とは言え、そもそも賛成派も反対派もいないかもしれませんが、そうやって展開して行きます。
しかし嫌いが賛成で好きが反対ってのがややこしいですな。賛成の反対なのだ。
ま、そもそも参加者が集まらなければただただ空に向かって悪態をつくだけになりますし、誰も賛同しなければ僕がただの「変なこと言うおじさん」(略して「変なおじさん」)になるだけなのですが。
とりあえず、このイベントを記録して、5月の同大学の個展の新作として形に出来ればと思ってます。
映像やテキスト、資料等を展示する感じの、ドキュメンタリーあるいはモキュメンタリーなものになればいいかな〜と思ってます。
以下は、このプロジェクトの宣言文です。
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現代アート」という言い方が嫌いだ!!宣言2016
私は「現代アート」という言い方、表記の仕方が嫌いです。
これは言葉が嫌いなのであって、「現代アート」指すところのそれ自体が嫌いではありません。
むしろ、それは好きです。では何故嫌いなのか?
そもそも、「美術」や「アート」が指すところのそれが好きで、さらに「現代美術」また「コンテンポラリーアート(Contemporary art)」も好きです。言葉も、それが指すところのそれも。
しかし、「現代アート」という言葉だけは好きになれません。
そもそも、「現代美術」「コンテンポラリーアート」と「現代アート」は同じ意味の言葉だと思っています。ただ、同じ意味でも表記の仕方で雰囲気がずいぶん違った印象になります。
僕の中で、「現代アート」というのは、なんとなく素人臭い言い方といいますか。
繁華街でお姉さんに「只今、現代アートの展示会をやっておりますので、よかったらどうぞ」と声かけられて、価値があるとか将来値が上がるとか言われて版画をローンで買わされて、後で「何でも鑑定団」に出してみたら「これ、単なる印刷ですね」(残念〜大幅ダウン〜)的なことになる・・・。
みたいな時に登場するのが「現代アート」という言葉だと思ってました。
なので、「現代アート」なんてそういう人たちが、まあちょっとそれ好きっていっとけばイケてるやろ?的な、要するに軽薄な人たちが使う言葉であって、決して、美術作家や美術関係者、学芸員、キュレーターや美術系の学校関係者等々の「玄人」さんたちは使わない言葉だと、高を括ってました。
ところがどうでしょう。
気がついてみれば、今やこの「現代アート」という表記の方が、「現代美術」や「コンテンポラリーアート」を差し置いてどんどん前に出てきて、テレビで美術館の学芸員さんが平気で口にしたり、評論家の方が本のタイトルに使ったり、挙げ句は「現代アートコース」なるクラスがある美術系大学まで出てくる始末!
このまま私が「現代アート」と言わないことにこだわってると、まるで携帯電話を意地でも持たない!と必要なのに我慢してる頑固さん、みたいになっちゃう!
そもそも。そもそもですよ。
「現代音楽」とはいうけど「現代ミュージック」とは言わないじゃない。
「コンテンポラリーダンス」とか聞くけど「現代ダンス」って聞かないじゃない。
なんでだす?何故美術だけが、「現代アート」と「爆風スランプ」的な言い方するわけ?
というわけで、今回私は、「現代アート」という言い方が嫌いだ!から反対!運動を提唱します。
その為に、まず何故その言い方が起こり、そして何故広まって定着してきたか?ということから考察し、またこの運動の賛同者を募るべく、まずは「現代アートクラス」という、その言葉がついてるコースの学生さんたちを中心に説いていきたいと思っています。
木内貴志(とりあえず美術家)
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大学内には現在、こんな感じでこの宣言文とともに案内チラシを貼っていただいてます。
しかし、今回の個展をやるに際して、「学生の現代美術離れ」的な話をきいてたので、
「そりゃ、映像とテキストの作品ばっかりじゃついてこれない人も多いかもな〜ここは自分がしっかり『モノ』を出す展示しなければ」
とか言ってたんですが、その男の新作が「映像とテキスト」なそれになってるやん!
って自分で自分にツッコンでおりますが。
というわけで、こちらのイベント、参加は学生さん対象なんですが、見学等は外部の方でもご自由にということです。
平日の滋賀県の大学の夜から、というとても不親切なイベントで申し訳ないですが、ご興味ある方はぜひぜひ。
今日の鼻歌:
♪君はLOVE ME TENDERを聴いたかい〜? 僕が日本語で歌ってるやつさ〜 あの歌は〜反
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by kiuchism
| 2016-04-18 19:42